あなたは、こう思っています。
自分を変えたい!同僚に差をつけたい!知的なトークをしてみたい!
だけど…
・書店に行っても目移りして何を読めばいいのか分からない…
・忙しくて本を読む時間さえ確保できない…
・分厚過ぎて、結局頭に入ってこなくて50ページくらいで挫折した…
・そもそも本を読むのが苦手で…
そんな悩める横着ビジネスパーソンのための超特効薬。
それが、このブログなのです。
世界のトップスクールが教える世界基準の「地頭のよさ」をつくる方法
あなたは、「哲学」や「思想」を学校教育で学んだ記憶がありますか?
日本の教育では、そういう分野を専攻しない限り、大学でも学ぶきっかけすら与えられないことが多いと思います。
・「教育」とは、与える/与えられるもの
・「勉強」とは、自分で求めるもの
・「学習」とは、自分の血肉とすること
「教育」とは対象個人または組織の向上心に直接働きかけ、眠っていた意識を呼び覚ますきっかけを与えることだと私は理解しています。
これが日本の教育にはなく、欧米教育が優れている部分です。教育や研究開発に国家予算を割かない影響が、日本のGDP成長率の低下に出ているのではないでしょうか?
それでは、世界のトップスクールでは一体どのような教育指針でマインドセットし、世界中で戦える本物のエリートを輩出し続けることができているのでしょうか?
今回紹介するビジネス神書はこちらです。
「世界のトップスクールが実践する考える力の磨き方」の基本情報
著者:福原正大
出版社:大和書房
定価:1,540円(税込)
ページ数:263ページ
出版日:2013年10月23日
この本で学べること
この本のエッセンス
本当の教養とは何か?
それは、「ある日突然記憶がなくなっても、身に付いて習慣化している知恵や思考」のこと。
世界のトップスクールでは、次の5つの視点で常に、何度も議論することが教育の指針となっています。これらを見ていくと、日本という国家や国民性の特異性を改めて認識することになります。
(1)「認識」を磨く(Who you are)
(2)「国家」を理解する(Who we are)
(3)「自由」をつかむ
(4)「経済」を知る
(5)「科学技術」「自然」観をもつ
それでは各論を見ていきましょう。
(1)「認識」を磨く ~who you are.
「自分は何者なのか」を考える
・自分はどういう考え方をして、何を大切にしているのか、を分析して認識すること
・周りの人たちは「どう考え、何を大事にする人か」を意識して理解すること
「確実に知っていること」を突き詰める
・事実は変わらないが、真実は人によって異なることを理解するべき
→ 全く同じ経験をしても、受け止め方によって、その影響力=「真実」は変わる(ヴィクトール・フランクル(独)「夜と霧」)
以前、TVドラマ「ミステリと言う勿れ」の第一話で
主人公の整君が言ってたのを思い出しました。
古い言葉なんですね~
・「確実に知っている」とは何か? 無知の知(ソクラテス)
4つのステップで真偽を見極める
デカルトの考え方によれば、
・とにかく疑う
・徹底して細分化する
・単純なものから、複雑なものへと考察を進めていく
・漏れがないように見直す
「自分」と「組織」の関係を見つめ直す
・欧米は個人があって、その上にグループがあるという「個人上位」
・日本は、まずグループがあり、その上に個人があるという「集団上位」。これは世界のスタンダードではない。
人類は、狩猟しながら移動することが起源であるのに対し
日本は同じ土地に定住、稲作、ムラ、地主、上様…
…と流動性のない文化形成であることが影響してるのかも!
(2)「国家」を理解する ~who we are.
世界には自分の国が分裂したり消滅したりする例が多いのに対し、日本は単一国家として存続し続けた変わった国、という認識をもつ
・欧米のように個人中心の考え方で国家が存在するのは、平等性に対するルールがあるからであり、ルールがないと身の危険がある(ホッブス)
・20世紀は単一の国ではなく、どの文明に所属するかで戦いがおきていた(ハンティントン)
・日本は国と文明が1:1の関係にある唯一の国で、伝統的な文化の統一性を維持しながら高度に近代的な社会を築くことができた
・日本文化/特性を論じた人は多く(フランシス・フクヤマ/和辻哲郎/岡倉天心等)、その多くは「柔軟性/節操のなさ」の風土を示唆
→ すべての物/自然に神を見る、古事記の精神性(神道)
ちいかわのようなキャラクターものがウケて
商品化されてビジネスになってるのって特異だと思います。
アニメもそうだけど、日本はエンタメをビジネスに昇華できる才能があります。
これは「八百万の神」の思想に基づいてると私は考えています。
(3)「自由」をつかむ
・基本的に人は自由だが、他人に迷惑をかけるべきではなく、他人を幸せにする努力をせねばならない(スチュワート・ミル)
・人間は理性の動物だから、理性に則って行動するときこそ、真の自由を獲得している(カント)
・実は、自分の意思は周囲に左右されている(カント/ウォルター・ソップマン)
・自由になると孤独になる→自由からの逃走(フロム)
・死の自由が許されなかったり、パターナズム※の課題も大きい
※権威者が、弱者の利益のためといって、本人の意志は問わずに介入、干渉、支援すること
「自由」とはどういう状態のことを言うのだろう?
そこそこ縛られるほうが楽チンだったりもしますよね。
(4)「経済」を知る
資本主義の大原則は市場経済であり、アダム・スミスの「神の見えざる手」が源流となります。
「需要と供給のバランスがとれて、やがて自然価格に落ち着く」と言う考え方だ。
昨今は転売ヤーのせいで、変な市場になってる領域もありますが…
労働は、生活に必要な全てのものを供給する原資(アダム・スミス)
→ 資本家を否定(マルクス) → 結果的にソビエト連邦が崩壊して歴史が証明したとも言える
→ その原因はシステムでなく、人間の強欲さによるもの
→ 資本主義が進むと大企業が力をもつ → 自由でなくなる → 創造的破壊
ここ数年、個人で稼ぐの思想が強まってますね。
(不景気なので、会社からのお給料じゃ生きていけないってのもあるけど)
個人的に、サラリーマンって労働者階級なので
ずっとそこに居続けることって人生の負け組な気がしてます。
※私の勝手な感想
はよ脱サラせな!!
(5)「科学技術」「自然」観をもつ
・人間の都合で自然を変えるのは破滅を招く(レイチェル・カーソン)
→ 人の営みは必ず破滅に向かって旅をする
→ そのスピードが速いか遅いかだけの違い
・科学技術の進歩が芸術/人間らしさを失う(岡本太郎)
所感とおすすめ度
ぶっちゃけ過去の偉人の引用含めて哲学的なレベルが高くて難しくて、ゆっくりと噛み砕きながら読み進める必要があるので時間はかかります。教養を身につける指南書としてはよいと思いますが、実践即効性がないという点でビジネスでの実用はほぼ不可能でしょう(笑)
内容を理解すればするほど、日本の特異性を感じます。
・・・と同時に欧米から常に置いて行かれてる焦燥感も。
それを再認識して、特異性を認識しながらも、日本ならではの事業開発をブレークスルーできるのでは?と考えてみたりしてます。
グローバル化が必須となる今後の日本に危機感を感じるからこそ、産業報国の精神をもって貢献していきたいと思いました。
特に、技術開発と経済学、思想、教養の繋がりの重要性を強く感じました。丁寧なモノづくりや娯楽をビジネスにできるセンスは日本は圧倒的に秀でているので、その強みをどんどん活かしていきたいですね。
おすすめ度:★★★☆☆
欧米の教育と比較することで
日本という国家、国民の特異性が理解できます。
いろいろ学んでから読むほうがスッと入ってくると思います!
読みにくい、という意味でこのおすすめ度になってます。
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