あなたは、先人の流した多くの血の上に立っていることを考えたことがありますか?
歴史に興味を持たない人には全く人間的な魅力を持てないし、成功することはないですよね。
明治維新というと日本の歴史における最大の変化点だったともいえます。
明治維新、大政奉還、戊辰戦争、西南戦争…
るろうに剣心、ゴールデンカムイ、龍が如く・維新 等…
漫画やゲームなどでも舞台にされることが多いのでキーワードくらいは知っているはずです。
ただ、その意義は何だったのか?前後の繋がりを理解してる人は多くないです。
京都御所を砲撃し朝敵となった長州を筆頭に、暗殺者集団として日本を闇に陥れた薩長土肥※
※薩摩藩、長州藩、土佐藩、肥前藩
明治維新とは、日本を近代に導いた無条件の正義だったのか?
日本の歴史の授業(というか教科書)って全くダメなんです。
「戦争がありました」「勝ちました/負けました」しか教えてくれないんです。
なぜ、その戦争が起きたのか?どういう時代背景だったのか?
それを知ることこそが、歴史から教訓を得て、生き方の選び方を学ぶ、ということなのです。
そういう意味では、ドラマや漫画やゲームでエンタメ要素から興味をもち、ネットでいろいろ調べて点と点を繋げていくのは近道だったりします。
かくいう私も、三国志を詳しく知ろうと思ったきっかけは「真・三國無双(KOEI)」だったし
新撰組も「龍が如く・維新(SEGA)」で詳しく知ろうと思いました。
今回ご紹介するゲーム・・・じゃなくて、ビジネス神書は、こちらです。
なんか最近、ビジネス書籍じゃない気がする…
「明治維新という過ち 日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト」
「明治維新という過ち 日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト」の基本情報
著者:原田伊織
出版:講談社
価格:836円
ページ数:416ページ
発売:2017年6月15日
この本で学べること
吉田松陰、高杉晋作、大久保利通 等、維新の功労者・英雄が一方では、大量の殺戮を犯し、特に会津に対して惨い戦いを仕掛けた存在でもある。
改めて「明治維新」とは何だったのか、そして歴史と人の評価の移ろい、物事の多様性を考えるきっかけになることを学ぶ
この本のエッセンス
さっと流し読んで全体を把握する「明治維新」
わかりやすく簡単にいうと
キリスト教を広めたくないという理由で鎖国を維持したい「徳川幕府」に対して
開国して近代西洋化したい「尊王攘夷派」が起こした国規模のクーデターです
結果的にクーデターは成功し、1867年、15代将軍徳川慶喜は明治天皇へ政権返上(大政奉還)
翌年1868年には、王政復古の大号令で幕府が廃止
※ここまでは「明治維新の前期」と呼ばれる
きっかけ
1853年に横須賀あたりの浦賀にペリー率いる東インド艦隊(黒船)が来航したことで
欧米列強の侵攻の危機感と、幕府の相次ぐ失政による社会不安から尊王攘夷運動が全国各地で展開される
倒幕運動への発展
・薩摩藩がイギリスとの戦争で、圧倒的な軍事力の差を痛感(文久3年/1863年 薩英戦争)
・幕府内でも、勝海舟(のちに奇兵隊を発案)のような開国派があらわれる
・薩摩藩、長州藩、土佐藩、越前藩などが開国へと方針転換し京都に集結
・政治の中心地である京都を警備する新撰組(幕府側)の活躍
・明治天皇へ政権を返上(大政奉還)し、王政復古の大号令で倒幕(慶応3年/1867年)
新撰組が活躍する時代背景です。
PS4版でハマった龍が如く 維新!がキャスティングも変えてリメイクしました。やたらとカラオケをやりまくった記憶が・・・ 発売されたらプレイしますよ!
倒幕後の展開
・新政府軍vs旧幕府軍で日本史上最大の内戦、函館の五稜郭で決着(慶応4年(明治元年)/1868年 戊辰戦争)
・新政府内で征韓論をめぐる西郷隆盛による反乱(明治10年/1877年 西南戦争)
・内閣制度発足、大久保利通が初の内閣総理大臣(明治18年/1885年)
るろうに剣心やゴールデンカムイの時代背景です
歴史漫画好きとして永久保存版としてケースに入れてストックしてあります(必読漫画)↓
明治維新はなぜ「過ち」なのか?(著者の考え)
・目的が長州、薩摩による徳川政権へのクーデターだから
・「廃仏毀釈」により、古来の日本文化財を破壊したから
・大量の暗殺、略奪、非道な行為を働いたから
・様々な点で学ぶことのある文明としての「江戸システム」を破壊し、近代化として自らの私欲の行いを正当化させたから
・この考え方のもとに、大東亜戦争を引き起こしたから
所感とおすすめ度
「勝てば官軍」の目線が歴史を美談化させてしまう
維新志士の「美談化」による歴史観の変化はいろんな作品で確かにあります。
暗殺、襲撃、略奪のような非道が「大義名分」のもとに行われていたのは事実です。
・非正規部隊である「奇兵隊」を発案した高杉晋作の所業は士道としてあるまじき、ですがいろんな作品で薄命でカッコよく描かれている
・会津の白虎隊の若者たちの集団自決も感動こそ誘うものの、そこに至る非道はクローズアップされない
・坂本龍馬が有名になったのは、日露戦争前に突如皇后の夢枕に立った
「勝てば官軍」の目線で歴史は美談化して語り継がれていくことが多いように感じます。
明治維新がもたらしたもの
とはいえ、結果としては
・裏で覇権を争っていた英/仏/米の、いずれの属国にもならずに不平等条約を解消できた
・富国強兵で強い日本の基盤をつくることができた
明治の時代を生きた人々の甚大な努力の下に今があることを忘れてはならないと思います。
維新の先人の意思をどう引き継ぐべきか
歴史に if はなく、もし江戸幕府が続いていれば欧米列強の植民地となってたのか?
・・・などは考えようのないことではあるけど、大切なのは一人一人が、日本人とは何か、をよく考えて行動することではないかと思います。
誰もが国を憂えて考え、行動していたことは確かです。
・吉田松陰は「かくすればかくなるものと知りながらやむにやまれる大和魂」と日本人の心を歌っている
・西郷隆盛は「敬天愛人」で日本人の精神を書いている
・坂本龍馬の「日本を今一度せんたくいたし申候」は、日本人の振る舞いそのもの
・勝海舟は「行蔵は我に存す、毀誉は他人の主張、我に与からず我に関せずと存候」と残した※
※訳:出処と進退は自分が決めること、悪口と称賛は他人の主張で、私には関係のないこと
こうした先人たちの振る舞いを知り、自分自身はどうあるべきか?
信条は?信念は?
そうした問いをこの本は投げかけてくるように感じました。
おすすめ度★★★★★
明治維新はいろんな思想のぶつかり合いがありいろんなドラマがあります。
それを知るだけでも楽しいですが
何よりも先人が築き上げた歴史を知ることで、勇気をもらえます。
のめり込むように読めて、学びのある一冊です。
ぜひ、ご一読を!!
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