あなたは、こう思っています。
自分を変えたい!同僚に差をつけたい!知的なトークをしてみたい!
だけど…
・書店に行っても目移りして何を読めばいいのか分からない…
・忙しくて本を読む時間さえ確保できない…
・分厚過ぎて、結局頭に入ってこなくて50ページくらいで挫折した…
・そもそも本を読むのが苦手で…
そんな悩める横着ビジネスパーソンのための超特効薬。
それが、このブログなのです。
「国家」とはどうあるべきか、紀元前から考えられ続けてきた
あなたは、今日が人生の最後の日だとして、明日から生まれ変わるとしたら、何を考え、どんな行動をしますか?
ビジネス神書 2冊目「7つの習慣」でも 4冊目「45歳の教科書」でもテーマでした。同じ悩みを紀元前から人は考え続けてきました。永遠のテーマとはよく言ったものです。
プラトンは古代の人ですが、それを考え続けてきた哲人です。
プラトンのことを知ってますか?
精神的な恋愛であるプラトニックラブの語源がプラトン哲学に由来していることくらいは知ってるかもしれませんが、それ以上は追いかけないのがフツーの人ですよね(私も)。
プラトンの哲学は西洋哲学の基軸となるものであり、英国の数学者/哲学者であるアルフレッド・ノース・ホワイトヘッドは次のように述べています。
「西洋哲学の歴史とは、プラトン哲学への膨大の注釈である」
すなわち、プラトンの考え方は現代にも脈々と生き続けているということであり、国家とそのなかにある個人の心構えについて、紀元前から人間と集団の本質を追求して残してきたプラトンはやはり偉人です。
そんな偉人がどんな人で、どんな哲学をのこして、現代に引き継がれてきたのかを知ることは、一般教養として知っておかねば恥ずかしい…という思いで手に取って読んでみました。
今回紹介するビジネス神書…というか哲学書はこちらです。
まさかの上下巻、合わせて1,000ページを超え!!
「国家」の基本情報
著者:プラトン
出版社:岩波文庫
<上巻>
定価:1,386円(税込)
ページ数:509ページ
出版日:1979年4月16日
<下巻>
定価:1,452円(税込)
ページ数:551ページ
出版日:1979年6月18日
1979年…!
この本で学べること
この本のエッセンス
魂の不滅を説いた哲学者「プラトン」はこんな人
まずはプラトンがどういう人であったのか知っておくべきですね。
イメージと違う部分がいっぱいあります。
・紀元前427年~347年、ギリシャのアテネで一生を過ごす
・政治家のいいところの御曹司(だけど哲学の道を進んだ)
・ムッキムキの超体育会系
・「プラトン」はレスリングの師匠につけられたリングネームで、体躯に恵まれているという意味
・本名はアリストクレス
頭のいいアスリートって何を言っても説得力があるからカッコいいですよね…
プラトンの生きた時代背景
・ギリシャでは、紀元前431年~404年、アテネとスパルタは戦争状態(ペロポネソス戦争)にあったが、アテネはスパルタに全面降伏
・当時のギリシャには都市国家「ポリス」が多数存在しており、都市国家の間の対立は長く政情の不安を招いた
プラトンは政治家の御曹司だったし、
政治に強い関心があったからこそ、
その核となる哲学の道を選んだのでしょう。
プラトンの「国家」の構成
架空の対話論という形式で書かれており、師匠であるソクラテスが様々な人と議論しながら話が進んでいきます。
だから読みやすい、というわけでは決してなく、読みにくい…長い…
日本では岩波文庫から出版されたのが1979年とf類ので、言葉の表現も堅苦しくて難しい。
第1巻・・・・「正義とは何か」という問題の導入
第2~4巻・・・国家の正義と個人の正義
第5~7巻・・・理想国家と哲学
第8~9巻・・・不完全国家とそれに対応する個人の性格と幸福
第10巻・・・・詩人追放論と魂の不死
これらが、上巻(509ページ)と下巻(551ページ)でまとめられています。
これらを全て1ページでまとめるのは難しいので
私自身が印象に残った部分をエッセンスとしていきます
(多分、これが「国家」のエッセンスだと思う)
主な思想のポイント
(1)理想国家に大切なこと
これは国家の体制についての議論ですが、会社の組織にも完全に当てはまると思います。
・統治者の魂の在り方が重要であり、その為には教育方法と国家の体制を考える必要があります。
・国家が持つべき4つのポイントは、「知恵」「勇気」「節制」「正義」であると定義
※個人が持つべきは、最初の3つをそれぞれ「理知」「気概」「欲望」と置き換えて考える
国家の体制 | 概要 |
---|---|
名誉支配制 | ・支配階級に軍人を据える ・知者が支配の座に就くことを恐れる ・必ず戦争が起きる |
寡頭(かとう)制 | ・少数の金持ちが国政を司る ・貧富の差が拡大し、国内対立が強まるので外敵にめっぽう弱い ・上も下もみんなアホになる |
民主制 | ・自由で主体的なので良さそうに見えるが、自由放任が過ぎると全員アホになる |
僭主(せんしゅ)制 | ・民主制が堕落した最も劣悪な体制(独裁制) |
プラトンが唱える理想国家とは、「優秀者支配制」(哲人王政)であるとされています。
つまり、頭の良い体育会系が最強ということですね。
インテリ親分?
(2)知を愛する=本質に迫る とは?
※本書では回りくどい事例で屁理屈のように思える議論が展開されてるように感じましたが、自分なりに解釈した結果だけを紹介します
ベースとなるのは「二元論」です。
現象界 | 不完全、ニセモノ、仮の世界 |
実相界(イデア) | 完全、ホンモノ、真実の世界、理想 |
この世には完全なものなど存在しない、と認識しながらも、全ての問題や対象に「あるべき姿とは何か?」を常に追求し続けることであり、多寡あるものの「正義」や「美」にもこの考え方はあてはまります。
理想の答えを探し続けて試行錯誤し、成長しながら自分で定める人生ことが幸せ、ということです。
「知を愛する」とは、こういう意味であると解釈しました。
なお、「アイデア(idea)」は考え、着想、概念、観念といった意味の名詞ですが、語源はこのイデアが由来です。
(3)「エルの神話」で語ることができる、人としての歩み方とは?
「国家」は、このエルの神話で締めくくられることとなります。
当時のギリシャ人は、「運命」は定められたものと信じていました。
ギリシャ人に限らず、日本の時代劇を見てもそんな描写が多く見られますね。
「拙者は運命を自分で切り拓くんじゃー!」というシーンは見たことないですし。
特に日本人は定住文化形成で流動性がないので、運命は上から与えられる変えようのないもの、という意識が根強く、現代でもなかなか社会的概念として拭い去れてないように感じます。
日本人が幸せになれない理由のひとつでしょう。欧米はこれを自分たちの力で変えてきました。
日本で感謝を表現する「ありがとう」の由来は「有難し」ですね。
上様からのご高配に対して「有難き幸せ」というのが
脈々と受け継がれちゃってますね…
さて、エルの神話に話を戻します。神話の内容は次の通りです。
この神話を例えに伝えたかったエッセンスは、「次に生まれ変わる生涯は運任せではなく、自分(魂)で選ぶことができる」ということです。
どんな人生だって選べるはずなのに、これまでの経験や環境に左右されて流されて選んでしまうという悲しい人間の「宿命」を表現しているのだと思います。
このような人間の「宿命」を理解することが極めて重要です。
「運命」に抗うのではなく、これまでの経験や環境を変えるように考えて動くことこそが、重要なのではないでしょうか?
あなたは、今日が人生の最後の日だとして、明日から生まれ変わるとしたら、どんな行動をしますか?
所感とおすすめ度
「運命」というのは、究極の言い訳なのだと思います。
いろんな要素が寄与して形成された環境こそが「運命」の正体であり、そうなってしまった要素を分解して少しずつ改善していけば、「運命」は変えられるはずです。
・どうありたいかを考え続ける
・捨てるべき邪魔は捨てる
・不完全なものは、完全(イデア)になるよう努力する
・足りないものは、足りてる人に頼るように繋がる
このように考えるだけで、今を苦しいと思っている人は前に進むことができるはずです。
哲学って面白いですね!
おすすめ度:★★★☆☆
長い長い哲学書を読破した後に私が感じ入ったエッセンスだけを整理しました。
おそらく、読む人によってポイントは異なると思うので、
修行だと思って読んでみることをおすすめします!
考え方が変わります。
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